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2018年7月アーカイブ

俯瞰して...だからライブでなければ

私の父は私が小さい時に脳溢血で倒れ右半身が不自由になったので、家の居間で俳句をやったり本を読んだり、新聞を広げていた様子が私は今でもはっきり目の前に浮かびます。

私は活発な子供で外で遊ぶのが大好きでしたが、父が家にいたのでそばで過すことも出来て、一緒に本や新聞を広げるのも好きだった。

だから今でも紙の新聞派です。電車の中でみんな下を向いてスマホ見つめているのに、隣の席の人にはみ出さないように一面を半分に畳んで、迷惑かけないよう気を使いながらでも紙面を前にかざして読むのが好きです。今ではそんな人も珍しくなってちょっと目立ちますが私にとってはけっこう至福の一つです。

朝はコーヒーを飲みながら新聞全体を鳥のように俯瞰して、気になった記事はザッーと一面切りはなして置いたり、切り抜いて後でまた読みます。鳥なら好きな獲物を見つけたら、そこをめがけて下降してクチバシでさらって行く感じでしょうか。

TV欄は小さい島。上空から気になる獲物を見つけて録画しておき、時間がある時に見ます。



今日のTV欄を見たら"歌うま日本一は誰だ!?"というのが目に入りました。

このようなコンテストの番組は勉強のために覗いたことはありますが、録画する気はありません。

私も歌う人ですが、なぜ興味がないのか?自分の歌と違うと。

シンガーとして上手に歌うことはそれに越したことはありません。声、技術はミュージシャンシップの基本でうまい人は人を魅了します。

コンテストでうまい方は、だいたい生まれつきの方が多いです。走るのが生まれつき速い人のように。


ジャズもうまいに越したことはありませんが、歌だけ目立ってもダメです。

私は歌は好きですがバンドと一体になってのサウンドをみんなで創る、そして聴衆に聴いてもらうということが特に好きです。

一枚の大きな絵を瞬間瞬間判断しながらみんなで描く。サッカーをやっているようです。

そのライブを聴衆のみなさんに観戦、参加していただく。

私もバンドの一人、ちゃんといいパスを出さなければ、自分の線を描けれなければ全体がガタガタになっていいゴールになりません。いい絵になりません。

もちろん個々が技術、表現を磨かなければ良いプレーヤーにはなりません。

テイスト、個性はそれぞれの表現ですからその違いが面白いと思います。

メンバーもみんな個性的です。サッカーのチームと同じです。

だからカラオケではダメです。ライブでなければ。サッカーのように何が起こるかわからないのが面白いのです。



ヒリヒリとした怖さの中

市の健康診断のために毎年検診をお世話になっているクリニックへ。
看護師さんが、私と私のデータを見て
「お元気ですね!」って。「ええ、仕事もしてますし、ダンスなどして体を動かしているので。」「わ!すごいですね。」って、看護師さん。
私は普通にやっているだけなのですが、年齢を重ねるとそう思われるのか?と、そんな年になったのかと思った。
会社などに勤めればリタイアーの年と思われたからか、
「お仕事は何にをしているの?」って。
「音楽をやっていて、教えたり歌ったりしています。でも毎日ステージで歌うわけではなくて、歌うのは時々ね、でもスポーツ選手と同じで教えるのも歌うのもトレーニングなどを常にしなければならないので、体力ないとダメだから運動もしています。」というような内容のことを、会話のやり取りの中で話しました。
「じゃあ、歌うの趣味ね、いいね、歌うの楽しいもんね」と看護師さん。
「ううん、たまにしか人前では歌わないけど趣味じゃないんだよな、これに人生かけて来たんだから」内心思ったけど言わなかった。

若い頃、ホテルやクラブで毎日歌っていた事があったけど、新鮮さがなくなり、たまにでいいからもっとワクワクドキドキした特別な気持ちで音楽やりたいと思ったので、今はそのスタイルでやれていることは本望です。
ジャズはクラブなどでお酒を片手や野外でワイワイ盛り上がりながらのスタイルから室内楽みたいな緊張感のあるものまで色々。若い頃、いまより音楽もよくわからず、今日もまた昨日と同じ成長もできず歌わなければならない事が嫌で、でも毎日歌いに仕事に向かった時代。
葛藤しながらも毎日ステージに立つために、たくさん曲を覚えたり、効果が上がらなかったかもしれないけどそれなりに練習したり、バンドのみんなやお客さんとの楽しい雰囲気も味わえ、いろんな経験ができたことはいい経験でもありますが。人生は無駄な事は何一つないというから。


お笑いの人の中ではけっこう好きな、爆笑問題の太田光氏が、朝日新聞の仕事力というコラムでこんなことを話していました。
「俺たち芸人はみんなお笑いという難しい仕事で生きて行くために、芸を磨かず人のせいにすることをダサいと感じるんです。.........」

「舞台、つまりライブは怖い。俺たちはデビューして30年を過ぎた今も舞台に立つことを自分たちに課していますが、芸人としての生のヒリヒリした怖さが大切だと思うから。」と。

私もライブの緊張が、太田さんのいうヒリヒリとした怖さの中でどれだけリラックして、バンドとそして聴衆と楽しい世界が作れるか、それが何よりも自分にとって楽しいので。




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