What's New | Michiko Yoshino | ジャズボーカリスト 吉野美知子

What's New

2003年2月アーカイブ

聴くこと.......つづき

そう、その聴くことですが、音楽をやる上で究極のような気がします。
ジャズは、クラシックと違ってスウィングすることとインプロヴィゼ-ションがいのち。
ソロイストが言っている事を共演者が聴きあい、そしてみんなで音楽を創り上げて行く、だから相手がやっている事が解らないと真のコミュニケ-ションは出来ないのですから。
ヴォーカリストである私はテーマを歌うだけでも共演者がソロで発展させてくれます。
私はそのプレーを楽しみ一緒に創り上げて行くのが何よりも楽しいのです。
それに音楽は時間のアートですから、聴き逃したら電車は行ってしまいます。
だからそのスリルが美術などにはない魅力なのかも知れません。

だからジャズは自分がちゃんとプレーするのとともに共演者が突然今日は何を言うのかな?と期待し、
それを楽しむのですからプレーヤーも観客も楽しいのです。しかし聴きあうのも内容がよく解らないと成り立たちません。だから深いのです。

私はそのスリルがたまらなく好きです。共演者の今日に期待します。
私自身は、ドジもしますし、自分の音も外れます。
そう、そのもっと聴ける事ができれば、そしてもっといいハーモニーになる様に声が出せるればと......

聴くこと

"私達ミュージシャンにとって一番大事なのは何だと思う?"とレッスンの最初よく生徒達に質問する。
キョトンとする生徒には、"画家だったら目、料理人だったら舌って。そして、もしシェフが素晴らしい盛り付けの料理をお客さまにだしても、不味かったらまずいわけで、それを判断するのは舌だよね"て。
だから私達ミュ-ジシャンにとって大事なのは耳、聴く事です。
もちろん感性や、努力や情熱や才能なんかはどんなジャンルでも共通な事。

私の記憶が正しければ、耳は二十歳位から聴力が落ちるそうです。
ただ音楽家にとっての聴力は、そういうのとは違って訓練や経験によって進化していくように思いますが時間がかかり、むずかしいものです。

2ー3日まえに友人のライブに出掛けたら、JAZZNINという日英両方で読めるジャズのフリーペーパーをもらいました。そこに知り合いのトミー,キャンベルのインタヴュ-記事が載っていて、素晴らしい事が書いてあったので御紹介します。
トミーは
"........ソニ-ロリンズからは聴く事を教えてもらった。そして僕はその教えを今でも楽しんでいる。ステ-ジ上で仲間のミュージシャンに与える事のできる最高の賛辞は、彼らを聴くってことだからだ"って。

私ももっとみんなの音が聴けるようになりたい。聴いているつもりでも聴こえていない音がいっぱいだと思う。

経験や学習と共に前聴こえなかった音が聴こえるようになったのは実感する。でも、前聴こえていたのが聴こえなくなることもあるのかな?いやいや、ぼけるにはちょっと早い?
はい、まだ開発途上ですからね。

ずっと学生の気分で

池袋の芸術劇場へ友人のお嬢さん由利子ちゃんの通っている桐朋学園の演劇科の卒業公演を見に行きました。"よかった!"です。
トルストイ原作の"過ぎ去りし日々"ストーリーもよかったうえに、学生ー学校特有の真摯で純粋でそして
アカデミズムがあって、未知数を想像させてくれ感動しました。ベテランの役者の上手さや味とはまた違った魅力です。
いい芝居をやりたい、自分達のメッセージを伝えたいという気持ちにあふれていました。

このような学校のプロジェクトはある意味で原点のような気がします。商売じゃなくて純粋な作品作りと言う点で。
美大などでやるプロジェクトも本当に楽しい。夢がいっぱいつまっていて大好きです。
私がバークリーに在学してた時も、プロジェクトは夢や可能性いっぱいの仲間の作品や演奏でとても楽しかった。

そう学生の作品は、夢に、可能性に思いきり向かってゆく純粋さ、エネルギーが本当に素晴らしい。
そう、私もある意味で、そんな気持ちで、学生の気分で、ズーッといたい。

タカシ、うれしいよ!

先週、新聞のコンサ-ト評で"素直に楽しむカッコよさ "ハナレグミ"と言うタイトルに惹かれ写真をのぞいた。そしてその下の"ハナレグミの永積タカシ"という文字に、もしや?と、記事を読み始めた。期待を胸に読み始めるとやはりあのタカシに違いないと確信し、うれしく懐かしくなった。

そうタカシは93、4年頃文京区春日にある音楽学校、尚美で教えていた時のプライベートレッスンの生徒だった。自由学園?だったかの出身で、いつもレゲーの帽子をかぶっていて、礼儀正しくでも堅さがなくやさしく、しなやかな感性を持っていた。オリジナルの歌もとてもよくて、ときどき"タカシうたって!"なんて言うと、ギターを抱えて歌ってくれた。才能があったので、どこかで歌っているのだろうな?なんて、思っていたけど忘れかけていたところでの再会だ。

記事は," .......言いたい事を素直に伝える事を楽しんでいるハナレグミの音楽と、それに熱狂的な歓声を送る観客とのほのぼのした交歓には、そういう意味でのカッコよさを感じた"と、結んでいる。

うれしいなタカシ!あなたの歌には愛があったもんね。
タカシ、ライブぜひ、聴きに行きたいです。再会を楽しみにしていますよ!

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