What's New | Michiko Yoshino | ジャズボーカリスト 吉野美知子

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2010年6月アーカイブ

優良と不良

先日たまたまどんな番組なの?と、録画しておいたNHKのドレミファワンダーランドという音楽バラエティー番組で、ビートルズの音楽のことを話していて、彼らの音楽は、コードトーンやスケールの音を使った優良な音楽とフラットさせた(例えば、CのときにEbを使う、ブルーノートとも言えるけど)音を使った,不良な音楽がうまく混ざっているから素晴らしい音楽になっていると言うような解説の一部があって、"フーーーン"NHKはこういう例えでくるんだ、でも優良,不良はないだろう"と,笑ってしまいましたが。

昔、通ったクラッシックの音楽学校で唯一ファンだった福島雄一郎先生の音楽美学と言う授業で、美には"醜を含んだ美"と言うのがあって、きちんと整っただけじゃなくて、例えばと、ご自分の上着の襟を立てながら、外したり,歪ませたりした美があると言う説明をして下さって、ウーーンウーンと納得しながら聞いていた覚えがあります。

ジャズもアフリカからやってきたアフリカ人の音楽とヨーロッパ人のクラッシックやブラスバンドとの融合から始まった。これもクロスオーヴァーして出来た音楽。
ビートルズでも、ジャズでも外し方が、融合の仕方が絶妙なんでしょうね。

でも"優良,不良"の単純なたとえは、先日の"姉性"の様には納得、感動しませんが。

いいコンサートになりホットしましたが...

日曜日のpit innでの発表会は、piano大徳さん、bass武田さん、drums吉尾さんという素晴らしいトリオに支えられ、生徒達みんな素晴らしい出来だったので、いいコンサートになりホットしました。

翌日は、群馬の母のところへ。幻覚症状は時々表れるようでスタッフに訴えていたよう。以前幻覚が表れて、睡眠薬と幻覚を抑える薬を飲み始めたら治まったのだけど、効きすぎてほとんど動けない様な症状になって、もうダメかも、と違う病院に入院覚悟で診察に行ったら薬が効きすぎている為だと言う。その薬を止めたら前のように又動けるようになって来たのだけど、最近、、又幻覚が現れて来て薬をすこしづつ飲み始める事に。
薬は確かに毒にも薬にもなる。

よく年をとるとだんだん子供に帰るというけど、母を見ていると本当なんだと思う。
私が帰る時は子供のようにだだをこねたり....。
あまり母との事が強烈なライブ感で前日の発表会の余韻は影を潜めてしまった。
いつも自分のライブの後は、疲れきって一週間くらい頭のどこかはボーッととしていたけど。
今はそんな余裕はない。人間いろいろアジャスト出来るものなんだなあとつくづく思う。



"姉性"

明日は、私の主宰する教室の生徒の発表会ライブ"SpiceOf Life"です。今回で34回め。
母の容態の変化で自分のライブは休止しているけど、これを休止するわけにはいかない。
ほとんどの生徒は、このライブを目標に頑張っている。

私は母親になった事はないけど、生徒への気持は母性本能なのかな?なんて、思っていましたが、最近読んだ作家の石牟礼道子さんと免疫学者の多田富雄氏の往復書簡で、多田氏は石牟礼文学の特徴は、母性でなくて"姉性"です、と言っていました。
私にとって、この"姉性"と言う言葉の出会いは、目から鱗で新鮮な発見であり、納得の出会いでした。

Vocal教室をやっていて教えるなんておこがましいけど、私の知っている事、学んだ事、経験などいい事は伝えたい。みんなやりたい事をやってほしい。音楽の素晴らしさを伝えられたら。いっしょに頑張ろうね!のようなのが私の気持。みんなのリーダーであり、サポーター。いくつになってもみんなのおねーちゃんの気分なのだ。
そう、私は、母性と言うより"姉性"なのだ。

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